育成塾Vol.13を開催しました
2021年8月31日
今回は、島根大学医学部解剖学講座(神経科学)教授の藤谷昌司先生をお招きし、「自閉スペクトラム症モデル動物・細胞における神経生物学的解析」と題してオンラインにてご講演頂きました。
まず、神経幹細胞の研究や神経発達障害の病態解明について最新の研究成果をご提示いただきました。藤谷先生の研究チームでは、「自閉スペクトラム症」の特徴である社会的コミュニケーション障害の原因とされる神経回路の異常を細胞レベルで着目され、神経細胞の中で一つだけ特異的な構造の軸索初節が与える影響についてマウスを使った実験を行い、その成果を披露していただきました。また、「今後はIPS細胞を使った研究を発展させていきたい。」と意欲を語られました。
参加者からは、軸索初節の長さと異常の関係性についてなど、多くの質問がありました。
自閉スペクトラム症の有病率は人口の1%だが治療法は見つかっておらず、完治への道のりはまだ遠いとのことでしたが、「なんとかして異常回路を見つけ出したい」という思いがWEBの向こうから会場に伝わってくるような熱の籠ったご講演でした。
※感染防止対策を徹底し、人数を制限した上で実施致しました。