育成塾vol.14を開催しました
第14回目の育成塾は、島根大学医学部附属病院 臨床研究センター教授 大野 智先生を講師にお迎えし、がん患者さんが「補完代替療法を使いたい」と仰った場合に医師はどうするべき?というテーマについてご講演頂きました。
『補完代替療法』とは…
現在私たちが行っている西洋医学による標準的な医療を補うものです。
具体的には漢方、鍼灸、アロマセラピー、サプリメント、健康食品などがあげられます。
取り扱いに国家資格が必要であったり、症状の緩和や副作用に一定の効果を示すことが報告されているものがある一方で、高額請求や根拠のない効果を謳い、トラブルになったケースも存在します。
がん患者さんから補完代替療法の利用を相談された時、まず大事なのは『傾聴』することであると大野先生は仰られました。
病気になったことで患者さんが突きつけられる様々な不安・葛藤・後悔に寄り添って悩みを受け止め、何ができるか一緒に考えること。
人の悩みは千差万別であり、非現実的なものでも安易に否定しないこと。
「患者さんがどうしてそれを使いたいと思ったのか」を整理した上で、①健康被害②経済被害③標準医療の機会損失の問題点はないか、利用目的に合致しているかを科学的に吟味することが医療者としての責務であるとご教示いただきました。
どこまでも患者さんの心に寄り添う姿勢や、お示しいただいた様々な医学的データから補完代替療法に関する深い学びを得ることができました。
この度は素晴らしいご講演をありがとうございました。
毎回好評をいただいている育成塾、今回で14回目の開催となりました。
今後も病院全体で医学知識向上に取り組んで参ります。